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丼王への道

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古川日出男『聖家族』より 「特盛り卵かけご飯」

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狗塚兄弟の弟、羊二郎が山形市の定食屋でかきこむ飯である。
実は東北の旨いラーメン描写の方が多い小説なのだが、
この飯の食べっぷりもいい。

『それからもりもり、飯を食う。彼らは。/
 朝の山形駅前の、繁華街に。東口だ。
 定食屋にいる。
 「ほら」と牛一郎が言う。「これ、食え。羊二郎」
 「え? いいの、このカツ、もらっちゃって?」
 「ひと切れだけだぞ」
 「ありがとう、兄さん」と羊二郎は言う。
 「お前のほうが、俺よりは育ち盛りだからな」
 「最近、山盛りにしても山盛りにしてもコメが足りないんだよ」
 「コメか?」
 「コメ」
 彼らは同時に、店員にご飯のお代わりを、頼む。
 羊二郎は「すまねげども、特盛りにしてもらえッがい?」と丁寧に付け加える。
 それから生卵も頼む。三個。
 二個が羊二郎の分で、一個が牛一郎の分だ。/
 彼らはヨーグルトは食べない。
 しかし、卵は一日に平均、七個か十個、食う。
 前者が牛一郎の平均で、後者が羊二郎の平均だ。
 黄身も、白身も、全部。/
 歌う。丼の内側に付いた、数粒の白い飯を箸で取って、食し終えて。
 羊二郎は、まだだ。まだ掻き込みつづけている。特盛りを。/
 羊二郎が元気いっぱいに、ごちそうさま!と言う。』
(P333~337)
  
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